今回はシリーズ12ルール(禁止級伝説2体までかつダイマックスあり)でのザマゼンタ構築の紹介です。
執筆時点での成績はマスボ級4000位台くらい。今後シリーズ12ルール中はこの構築を使い続ける予定なので、好成績が出たときや構築に変更を加えた際には順次追記予定です。
1.なぜザマゼンタを使うのか?
色違いが配布されたので使ってみたかったからです。特に環境のどこかに刺さっているとかではありません。なので構築が仕上がるまでとても難儀しました。
一番ひどい時は戦績が7勝15敗とダブルスコアを付けられるほどでした。そこから22勝21敗の勝ち越しまで持ってこれたので、仕上がったと言っても怒られないでしょうと思って記事にしました。
2.構築内容
ちょっとスクショが古くて、今はダーテングの持ち物がチョッキ⇒タスキに、ボストロスの技がかみくだく⇒ばかぢからに、トリトドンの性格がひかえめ⇒ずぶといに変わっています。
タイトルのとおり、ザマゼンタとグラリザ(+ダーテング)の晴れギミックを合わせました。
3.ザマゼンタというポケモン
構築詳細に入る前に、ザマゼンタがどういうポケモンか?環境ではどういう立ち位置なのか?ということを紹介したいと思います。
(たてのおうフォルム)
タイプ:格闘/鋼
半減以下:鋼・悪・ドラゴン・氷・草・ノーマル・虫・岩・毒
こうか抜群:炎・地面・格闘
特性:ふくつのたて(場に出たときぼうぎょ+1)
種族値:92-130ー145ー80ー145-128
禁止級伝説の中では高い素早さと、非常に防御寄りの種族値を合わせもっていて、一見とても強そう。特性でぼうぎょがさらに上がる。耐性も9つと多い。
しかし実態は今の環境に全然マッチしておらず、体感で言えば準伝説級くらいに思えてしまう悲しいワンコ。
- 対ザシアン:きょじゅうだんで大体確3。一方ザシアンのサブウエポンとして定着したせいなるつるぎでぼうぎょ上昇を無視して9割体力持っていかれて負ける。
- 対黒馬バドレックス:上を取られて特性を活かせぬままとくしゅ火力で殴られて負ける。
- 対カイオーガ:特性を活かせぬまま雨こんげんのはどう辺りで殴られて負ける。
- 対グラードン:特性が活きるかと思いきやだんがいのつるぎやダイアースで押し切られて負ける。
- 対イベルタル:きょじゅうだんを耐えられてダイジェット⇒ダイバーンで負ける。
- 対ディアルガ:ダイアース2発で負ける。
- 対ソルガレオ:ザマゼンタ側からは有効打はない一方、ダイマックスしてダイアース打たれ続けて負ける。
- 対白馬バドレックス:唯一やや有利。サブウエポンのじだんだくらいなら耐えてくれるのできょじゅうだん2回で押し切る。トリックルームに入られていたり弱点保険に加入していると負ける。
ご覧のとおり環境級に幅広く不利を取っていますね。実に動きづらい。特に環境トップシェアのザシアンが構築に絡んでくるだけで行動を大きく制限されるのは頭の痛いところ。
こうげきもガブリアスと同値と、禁止級伝説としては控えめ。攻撃技もめぼしいモノは専用技のきょじゅうだん、せっかくの防御性能を捨てるインファイトくらいしかなく、アタッカー運用は難しい。それに対して対になるザシアンがとてつもない火力で多少の不利をひっくり返してしまう凶悪なアタッカーなのが、「ザマゼンタは弱い」と言われる主因ではないかと思われます。
一方サポート技はバークアウト、コーチング、とおぼえ、てだすけ、ワイドガードと優秀な技が揃っています。となるとアタックは横に任せる方が適していそうです。
4.構築ができるまで
とりあえず強いアタッカーとして黒馬バドレックスと組ませてみました。結果としては別に相性がいいわけでもなく、ザシアンにボコボコにされて終了。
続いてカイオーガと組ませてみました。こちらも相性が別にいいとかなくてザシアンにボコボコにされて終了。
2つ試してみて横に高火力を置くだけではダメだと感じ、今度は相性補完を考え、ザマゼンタの苦手とする地面・格闘・ソルガレオに強く出られそうかつ、悪複合で全体の補完も取りやすそうなイベルタルと組ませてみました。見事にザシアンにボコボコにされました。(イベルタルの珠ダイバーンでやっと確1、しかしその場合きょじゅうざんで先に確1で落とされる)
3つ組んでみて、とにかくザシアンが重い。ザシアンにかなり強気に出られるポケモンでないとザマゼンタが相方に納まるのはどうにも難しそうです。そこで前ルナトーンと組んでザシアンを使っていた時に重かったポケモンを思い起こしたところ、筆頭として上がったのはグラードンでした。ぼうぎょ方面が硬く攻撃を耐えながら、一致地面技でザシアンを一撃で倒せます。ついでにカイオーガ対策にもなるので構築がまとめやすそうなのも高ポイント。さらにザシアンの一致技を両方とも半減で受けられるリザードンと2体で1つの戦術の柱になれるので、ザマゼンタ・グラードン・リザードンを固定して深堀りしていくことにしました。
最初は催眠対策と飛行耐性を持たせられる物理カプ・コケコ、グラードンだけにカイオーガ対策を任せるのは怖いのでラプラス、最後にゴースト耐性を付けながらねこだましを確保出来るアローラペルシアンで3枠埋めてみたところ、ガオガエンがとてもきつい。いかくでザマ・グラ・コケコが機能低下し、すてゼリフでラプラスとリザードンが黙らされてパワー不足になり負ける、という流れが頻発しました。そこで特性:まけんき枠がどうしても欲しいと思い、コケコを同じく飛行耐性のある夢化身ボルトロスに変えました。
しばらく回すと、ラプラスが役割遂行しきれていないことに気づきました。前シリーズまでは対カイオーガとしてそれなりに機能していましたが、シリーズ12からはカイオーガはザシアンと組んでいることが多く、採用率の伸びたせいなるつるぎでごっそり削られてダウン、ラプラスが倒れたところでカイオーガが悠々と登場しこちらを壊滅させる・・・という流れが頻発していました。そこでカイオーガ対策を別のポケモンに任せることにし、選んだのがよびみずトリトドンでした。ザシアンに等倍以上のダメージを貰わないため場持ちが良く、さらにトリックルーム耐性がどうしても薄いところを、高耐久+あくびでかき回すことで誤魔化すことが出来ることを評価しました。
ここまでで5枠埋まり、最後の6体目を考えたとき、足りないのは「ゴースト耐性」「ねこだまし」「すばやさ操作」あたりでした。あと、相手のグラードンの処理もめんどうなのでグラードンへの削りも欲しいところ。
これら全てを兼ね備えるポケモン・・・思いつくけれど・・・それはどうなの・・・・・・?
でも持っちゃってるからなぁ・・・と半信半疑でダーテングが入って構築が完成。
5.個別解説
H16n-1、S最速化身ボルトロス抜き
今回のスタート地点となったワンコ。調整はこちらの先駆者様からそのまま拝借しました。
cloyster.blog.jp先述のとおりサポート性能は高いので、技は補助技から固めることに。とりあえず最高打点の専用技きょじゅうだんは確定、また、黒馬バドレックス、カイオーガ、グラードン、白馬バドレックスなど超火力の全体技を撃たれることが多い環境なので、ワイドガードも確定にしました。あとはとくしゅ方面にデバフをかけられて便利そうなバークアウト、そして横のアタッカーをバフした方が自分が行動するより強そうなのでコーチングを採用しました。
実際に使ってみたところ鋼ワンウエポンだと止まる相手が非常に多く、置物にされて隣が集中砲火されて困ったため他に攻撃技欲しくなったため、インファイトも採用することにしました。バークアウトとコーチングを天秤にかけて、バークアウトは後述のダーテングでも使えることからコーチングを残しました。実際コーチングで強化されたボルトロスとグラードンの破壊力は凄まじく、正解だったと思います。ただ、ぼうぎょバフが有効に感じられる場面が少なかった(ボルトロスは命の玉持ちなので勝手に削れていく、グラードンは素で防御がとても硬い)ので、ザマゼンタ自身も攻撃に参加できるとおぼえの方がいい気もします。
相手がワイドガードを読んでダイマックスしてくるかや、自身が殴るのとコーチングで横を強化するのとどちらがいいのいかなど、読みの精度を要求されるため使い手のセンスが問われるポケモンのような気もします。難しいです。
グラードン
特性:ひでり
持ち物:たつじんのおび
技:断崖のつるぎ/ヒートスタンプ/ストーンエッジ/まもる
性格:いじっぱり
努力値:124-252-30-0-92-12
実数値:191-222-164-*-122-112
断崖のつるぎでH4ザシアン確1
いじっぱりA252ザシアンのA+1きょじゅうざん2耐え
S1段階上昇で最速100族抜き
余りD
ザシアンを使う側からすると厄介で、カイオーガへの対抗馬となれ、対策しにくいレジエレキにも強いと、色々な方向に睨みを利かせられるありがたい伝説枠。
特に対ザシアンに重くした調整を施し、さらに耐久振りザシアンに出くわしても落とせるよう持ち物は達人の帯。命の珠でないのはボルトロスが使っているため。拘り鉢巻ではないのは、前のめりに攻める構築ではないのでテンポずらしとして守るを出来るだけ入れたかったからです。
強力な専用技の断崖のつるぎとまもる、サブウエポンに晴れの火力上昇を活かせるヒートスタンプと、断崖のつるぎの効かないひこうタイプ複合の弱点を突けるストーンエッジを採用しました。ヒートスタンプはダイマックスしている相手に効かないというデメリットがありますが、それと比較してもほのおのパンチの火力不足で倒したいときに倒しきれないデメリットの方が重いと考えヒートスタンプを優先しました。ストーンエッジもいわなだれと天秤にかけ、火力が足りるのはストーンエッジと考え採用しました。
まけんき枠がどうしても必要になったので採用。まけんき・かちき枠には他にもガラルサンダーやガラルフリーザーなどがいますが、いずれもS100族以下。グラードンを採用しているこの構築では相手のリザードンがかなり重いので、リザードンを超えるSを持ち上から仕留められるボルトロスがベストと判断しました。
技構成はテンプレ。ばかぢからは対ガオガエンとして採用しましたが、ガオガエンと対面した際引いてくるかねこだましをうってくるかの2択で、ダイマックスして後続ケアを考えダイジェットで殴ることが多いので、要らない技な気がしています。白馬バドレックスへの打点や自身の継戦力を高める狙いで、ダイスチルに変換できるアイアンテールの方がいいかもしれません。
リザードン
特性:サンパワー
持ち物:こだわりスカーフ
技:ねっぷう/ぼうふう/ブラストバーン/ねっさのだいち
性格:おくびょう
努力値:6-0-0-252-0-252
実数値:154-*-98-161-105-167
キョダイマックス個体
タイプ上ザシアンに強いとされるポケモン。実際はザシアンのパワーが高すぎて半減でもHPを半分近く持っていかれるので五分。それをもっと有利に引き上げるべく、拘りスカーフを持たせて上をとれるようにしました。火力アップアイテム無しでも晴れサンパワーダブルダメねっぷうでがっつり耐久に振りまくっているザシアンでなければ倒せます。
スカーフをも持たせる場合性格はひかえめも候補に挙がりますが、リザードンがダイマックスアタッカーになることも少なからずあり、イベルタルなど禁止級伝説が100族より下に固まっていることからそこをまとめて抜けるS性格補正を変える気にはなりませんでした。
技はねっぷうとぼうふうは確定、キョダイゴクエンの最大威力元となりごり押しに使えるブラストバーンも確定とし、最後の1枠はザマゼンタのDを上げて要塞化させるダイアースの元になるねっさのだいちを入れてみました。ガオガエンにも有効打になるので悪くない技なのですが、リザードンミラーになった時にダイロック4倍弱点を狙えるげんしのちからもいい気がします。
トリトドン
特性:よびみず
持ち物:たべのこし
技:だいちのちから/れいとうビーム/あくび/まもる
性格:ずぶとい
努力値:132-0-244-116-4-10
実数値:203-*-130-127-103-60
先述のとおりカイオーガザシアン構築を比較的安定して見られ、かつトリル対策にも一応なるポケモンとして採用。タイプ・技レパートリーが優秀で、通りのいい炎タイプのストッパーや、やや苦手なひこうタイプへの打点を持ち補完として選出に入れやすい。
技構成はタイプ一致メインウエポンのだいちのちからは確定。サブウエポンはサンダーのようなでんき等倍ひこうタイプへ向けて安定した有効打として使いやすいれいとうビームを選びました。こごえるかぜもメジャーですが、遅いトリトドンからS操作をするぐらいならあくびで眠らせればいいやと考え、火力を取りました。ラスト1枠は当然あくびと相性のいいまもる。
黒馬バドレックスの命の珠ダブルダメアストラルビット2耐え
ようりょくそ発動時最速黒馬バドレックス抜き
黒馬バドレックスの圧力を考えると外せない悪タイプ枠。ダーテングは何回か候補として考えたものの、耐久力のあまりの低さがどうしても専用ならず見送り続けていました。しかしねこだましやいたずらごころ持ちをねこだましでいったん黙らせる、特性発動で超高速からバークアウトとこごえるかぜのデバフを撒ける、苦手なグラードンミラーで有効打となるとくしゅ一致高火力技のリーフストームを持っている・・・と欲しい要素があまりにぴったり揃っていたため入れてみました。
最初は欲張って神秘のしずくカイオーガの雨ダブル潮吹きを2耐えするようとつげきチョッキを持たせていたのですが、半減できない技だと一発KOされて仕事にならないことが多かったので、きあいのタスキに変えました。
6.選出
今期は大して気合いを入れておらず、選出メモを全く取っていなかったので、この対面にはこの選出、みたいなことが書けません。なので自分の選出パターンだけを羅列していきます。
①ボルトゼンタ 先発+後発と自由枠
ダイマックスボルトロスをコーチングで支援して相手を潰していく選出。まけんき+サポータなのでいかくで止まらないのが本当に偉い。
後続には選出パワーを落とさないようグラードンは確定。あと1枠は相手の重そうなポケモンに併せて柔軟に出していきます。リザードンがダイマックスしなくても攻撃に参加しやすいスカーフ型なのが活きます。
②リザテング 先発+後続
相手にエルフーンがいてねこだましで行動を止めながら攻めたい時、ソルガレオのようなリザードンでないと潰せなさそうな鋼タイプがいる時などにやる選出。ザマゼンタをクッション性能を活かしながらうまいこと晴れリザグラの布陣を押しつけて勝ちを狙います。
③リザグラ 先発+後続
相手がリザグラ対策が甘い時と、トリルパ相手の時によくやる選出。トリルパの場合はキョダイゴクエンのスリップダメージで相手を消耗させながら、トリルエースの攻撃をザマゼンタのワイドガードで防いだり、トリトドンのあくびでかき回しながらトリルターンを凌ぎ、切れたところでたたみかけるイメージです。