今回は構築紹介ではなく、構築で使っていた1体に絞った考察記事となっております。
本当は結果出して構築紹介としたかったのですが・・・察してください(消沈)。
紹介するポケモンはデカヌチャン。現行対戦環境ではめったに見ないポケモンですが、そのスペックは十分通用するものがあります。パーティ構築する中で、選択肢の1つになれれば幸いです。
1.デカヌチャンの基礎ステータス
まずはデカヌチャンの基本的なデータの確認から。
タイプ構成
【フェアリー/はがね】
- 半減タイプ:いわ/ひこう/フェアリー/あく/こおり/エスパー/くさ/ノーマル/むし/どく/ドラゴン(11タイプ)
- 弱点タイプ:ほのお/じめん(2タイプ)
半減範囲が幅広い、極めて優秀なタイプ構成。また、等倍タイプに目を向けてみても、はがねに抜群を取られないフェアリータイプ・かくとうに抜群をとられないはがねタイプと補完性に優れているのもポイントです。
【85(HP)ー75(攻撃)ー75(防御)ー70(とくこう)-105(とくぼう)ー94(素早さ) 合計506】
やや低いBに対して高めのD、そして素早さ調整の目安の1つである、霊獣ランドロス・ロトムが属する91族を抜ける94族という絶妙な早さと、マスコットチックな見た目に反して堅実なステータスにまとまっています。一方、同タイプのメガクチート・ザシアンに高い火力を与えすぎたことへの反省からか、Aは特化しても実数値139とかなり心もとないレベル。
特性
【かたやぶり/マイペース/わるいてぐせ(夢特性)】
シングルバトルでは、相手の特性、例えばサーフゴーのおうごんのからだ、を無視してでんじはを打てるかたやぶりがメジャーですが、ダブルバトルの場合は屈指の強特性であるいかくを無効にできるマイペースが扱いやすいでしょう。
2.デカヌチャンの強み
以下3つの点に整理できます。
- 安定した物理はがね打点
- ねこだましによる横補助
- 恵まれたタイプ構成を活かした高いクッション性能
まず1つ目のはがね打点について。現環境ではハバタクカミ・オーロンゲの2体のフェアリータイプが対策必須となっています。ハバタクカミは高い火力で、オーロンゲは壁&すてゼリフで、長居させた分だけ甚大な被害を負うポケモンです。しかし、ハバタクカミは持ち前の高い特殊耐久が、オーロンゲはひかりのかべ貼りがあり、特殊方面から即時対応は難しい。それを踏まえると、物理はがね打点の有用性は相対的に特殊はがね打点より高いと言うことができます。
物理はがね打点枠には他にハッサム等もいますが、ここに関しては威力(160)の高すぎる専用技のでかハンマーで明確に差別化できます。例としてH252オーロンゲがリフレクターを貼った状態での与ダメージを比較してみます。
A特化テクニシャンバレットパンチ:53.4~63.3%
A特化でかハンマー:97.5%~115.3%
かたや確2、一方デカヌチャンは81.2%の乱数で確1と大きく与ダメージに差が出ています。加えて、ダブルバトル特有の要素として特性いかくがあります。よってハッサムはさらに与ダメージが下がり得ますが、デカヌチャンは特性をマイペースにしていればいかくの影響を受けず火力を維持できます。これこそが、「"安定した"物理はがね打点」と評した理由であり、デカヌチャン独自の強みです。
2つ目の強みは、ねこだましを使用できる点です。ねこだましは縛りにも縛り解除にも使える強力な技ですが、現環境ではねこだましが使える実戦級のポケモンはテツノカイナ・ゴリランダーあたり程度であり、「入れられる」というだけでメリットになります。加えてそれら2体よりデカヌチャンはSが高いため、ねこだましで縛ろうとする動きをねこだましで咎めるという挙動ができるため、横の縛り補佐としての性能は十分比肩しうると言えるでしょう。
そして3つめの強みである恵まれたタイプ構成により、上記2つの強みを安定して発揮することができます。特にねこだましと強くシナジーしており、まず攻撃を半減で受けにいって1手、続いてねこだましで2手と2ターン分の時間稼ぎが可能。構築のサイクルしやすさを大きく高めてくれることでしょう。
Bが低くDが高いので、使用感としては「いかくを失ったがタイプが優秀になったカポエラ-」に近いです。
3.技候補
確定枠
でかハンマー/ねこだまし
デカヌチャンの強みに直結している技なのでここは確定。残り2枠が構築に合わせての選択枠となります。
選択枠
優先度高:フェイント/じゃれつく/アイスハンマー
横サポート性能をさらに高めるなら、フェイントがおすすめです。優先度+2の先制技なので、タスキパオジアンなどを安定処理することができます。
攻撃技としてはじゃれつくかアイスハンマーがよいでしょう。じゃれつくはタイプ一致のため貧弱なAからでもそこそこの威力が出せるのが魅力。アイスハンマーは霊獣ランドロスより早く、いかくも効かない点を活かす際の選択肢となります。そのほかゴリランダーやトルネロスなど、意外に刺さる相手は多いです。
優先度低:テラバースト/はたきおとす/かわらわり
それぞれピンポイントな技。テラバーストはほのおタイプが重く、テラスタイプみずにしている場合に選択肢となります。ダメージはA特化のみでH4振りイーユイに96.1%~114.52%の乱数1発(81.2%)と悪くないダメージ。はたきおとすは完全にサーフゴー単体メタですが、てだすけが入っても確2なので優先度は低いでしょう。かわらわりは壁貼りがきつい構築の場合に検討できるでしょう。
4.持ち物候補
①とつげきチョッキ
持ち味であるサイクル性能をさらに高める持ち物。上記の通り技枠をフルアタで埋めることは難しくないため、自然に持たせられます。
②たつじんのおび
オーロンゲやイーユイを確1で仕留めたい際の持ち物。
③いのちのたま
でかハンマーで等倍でもゴリゴリと削っていきたい、アグレッシブな人向け。たつじんのおびと比べて確定数が変わる範囲が狭く、競合率の高い持ち物であるため優先度は低くなります。
5.努力値配分サンプル
性格:いじっぱり
配分:22ー252ー0ー0ー0ー236
アイスハンマーで確1をとれる、準速ランドロス抜きまでSを高めた型。
ロトム・コノヨザル・Gファイヤー・ゴリランダー等S調整ラインが微妙なポケモンをまとめて抜くことができるのが強みです。
6.おわりに
というわけで今回はデカヌチャンのプレゼンをさせていただきました。独自の強みを持っており、構築の補完として優れている良ポケモンとして採用価値のあるポケモンだということが伝わってくれればいいなと思います。
型に関してはA252振りは確定として、もう少しSを落として耐久振りを増やす調整でいいのが思いつけば、追記します。